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断熱等級6なら、夏涼しく冬暖かい家になるはず。
でもそれは机上の計算。
例えばUa値が0.3だとしても、そこには建物の気密性能の事は全く加味されていないのです。
他にも断熱性能を無意味にしてしまう要素が5つあります。
目次
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動画長さ:10分46秒
以下、動画の内容を文字にしてありますので、文字の方が良いという方はこちらをご覧ください。
家づくりを始めると、「Ua値」という言葉をよく耳にする様になります。
断熱性能を示す数値ですが、Ua値が良ければ「冬は暖かい、夏は涼しい家になる」と言われています。
でもそれ、半分正解で半分間違いです。
Ua値とは外皮平均熱還流率の事。
なんか、小難しい言葉ですね。
簡単に言うと、家の中から外へ逃げ出す、熱量を示す数値です。

このUa値の数値が小さいほど断熱性能が優れている事になります。
そして、「Ua値をいかに下げるか」という競争が、今のトレンドです。
「うちはUa値0.3だから最強ですよ!」と営業マンに言われて安心してませんか?
そんな言葉に騙されてはいけません。
Ua値はあくまで「机上での計算」。
実は、いくら数値が良くても快適にならない要因がいくつもあるんです。
特に次の5つ。
1.平均値という落とし穴
2.気密性能(C値)が悪い
3.施工精度が悪い
4.日射取得ができない
5.換気・空調がずさん
では、まず初めに「平均値という落とし穴」
Ua値は家全体の平均値です。ですから場所によって逃げる熱量が違ってきます。
例えば、家全体の数値が良くても、一部の窓の断熱性が他と比べて弱かったとします。
その窓の近くに行くと、コールドドラフトの冷気で、体感温度は一気に下がります。
他の場所が暖かいだけに、その寒さが際立ってしまう事でしょう。
しかもそれがリビングの吹抜けの窓だったら、どうでしょう?
もしかしたら、家族が誰も寄り付かないリビングになってしまうかも知れません。
これが今回の最重要ポイントかも知れません。Ua値には気密性能が全く加味されていないんです。
例えば雪が降る、風の強い日。気密性の事はあまり気にせずに建てた、C値3.0で延床面積30坪の家を暖房したとします。
具体的な条件はこちらです。
◆床面積30坪(住宅容積260㎥)
◆C値=3.0c㎡/㎡
◆室温20℃・外気温0℃
◆屋外の風速5m/s
するとどうなるか?なんと、外の冷たい空気が1時間に215.5㎥も家の中に入ってきます。
元々、換気システムで1時間に130㎥の外気を取り込んでいますから、隙間風と合わせると、345.5㎥。
わずか45分で家中の空気が外の空気と入れ替わってしまう事になります。
これでは、いくらUa値が良くても寒い家になってしまいます。
でもC値が0.5の高気密だったらどうなるか?
流入してくる隙間風は6分の1の36.4㎥。
この程度の隙間風であれば、室内の温熱環境にほとんど影響はありません。
快適な住まいにするためには、高気密住宅である事が必須です。
Ua値はあくまで設計図をもとにした『机上の計算』。現場(の職人)が正しく施工しなかったら意味がありません。
例えばこちらの写真ですが、電気配線が邪魔をして、グラスウールに大きな隙間ができています。
また、グラスウールを壁の中に充填する際、袋の耳を柱の正面でステープルを使って留めるのが正しい施工。
こちらが当社の協力工務店が施工した写真です。奇麗に施工されています。
しかし、こちらはある大手ハウスメーカーの大工さんが施工した跡です。
どうなっているかというと、グラスウールの袋の耳を柱の横で留めています。
これだとグラスウールと石膏ボードの間に隙間ができて十分な断熱と気密が得られません。
『計算上のUa値』と『現場の品質』は全くの別物なんです。
Ua値を良くするためには、第一に断熱材を分厚くする事。
そして、第二に、窓をLow-Eガラスにしてできるだけ小さくする事。
すると、そこに大きな矛盾が生じます。
なぜなら、窓を極限まで小さくしてしまうと、太陽から得られる熱も最小限になってしまいます。
冬の太陽は最高の暖房器具です。しかも無料で手に入ります。
Ua値を良く見せるために太陽の恩恵を捨ててしまうなんて、本末転倒です。
南側の窓は大きくして、積極的に太陽の熱を取り込むのが、正しいやり方。
ただし、Low-Eガラスには遮熱タイプと断熱タイプの2種類があります。
それを方角によって上手く使い分けないと、全てが台無しになってしまうので注意が必要です。
その事について、以前の動画で詳しく解説していますので、ぜひご覧になってください。
下にリンクを貼っておきます。
換気と空調を上手く計画しないと、高断熱高気密住宅であっても、その威力は半減してしまいます。
まず換気ですが、第1種換気と第3種換気。
どちらも一長一短ではありますが、冷暖房した空気をそのまま捨てる第3種換気より、熱交換型の第1種換気の方が、家の温熱環境は明らかに良くなります。
空調に関しても、綿密に計画した方が温熱環境は良くなります。
例えば、こちらのお宅ですが、床下エアコンを採用しました。・・

床下を冷暖房してその空気を部屋の隅に設けたこのスリットから室内に入れます。
冬はこの床下エアコン1台だけで家中を暖房できます。
夏は床下エアコンと併用して、2階の廊下の奥に設けたエアコンの2台で、家中を冷房できます。

ただし、床下エアコンはかなりのノウハウが必要です。
施工経験が無ければ、まず上手くいかないでしょう。
ですから誰でも採用できるという訳ではありませんが、一つの(空調計画の)例としてご紹介しました。
今回、Ua値の落し穴としてご案内したのはこちらです。
Ua値の落し穴
1.Ua値はあくまで『平均』。局所的な寒さに注意!
2.C値(気密)をセットで考えなければ熱は逃げ放題。
3.計算より『現場の施工精度』が性能を決める。
4.太陽の熱(日射取得)を味方につける。
5.換気・空調計画で、より温熱環境を向上。
「Ua値が良いからOK」という言葉を鵜呑みにせず、これらの要素をバランスよく提案してくれる住宅会社を選んでください。
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